ソアリンのプレショーのおはなし
先日、ソアリンについての記事を書きました。
この記事で、僕は「並ぶ価値はあるし待ち時間が長いのも納得だけどもうちょい落ち着いてほしいな」と書いたのですが、
この記事を書いてわずか3日後の2019年10月20日、8年前の東日本大震災以来の終日休園となった1週間前の台風19号の影響を受けた人がやってきたのか、10月22日が「即位礼正殿の儀が行われる日」という2019年限定の国民の祝日になったことで月曜休めば4連休と考えた人が多かったのか、5月のGW10連休以来5ヶ月ぶりの入園制限となりました。
ランドは10:30から、シーは11:00から入園制限となり、制限解除はランドが16:30、シーが17:00だったそうです。
ソアリンができてから初めての入園制限ということで待ち時間がどうなったか調べてみたところ、
8:30ごろ 240分
9:00ごろ 280分
10:30ごろ 300分
14:00ごろ 280分
16:00ごろ 180分
17:00ごろ 200分
19:30ごろ スタンバイ案内終了 ファストパスのみ案内
なんだこれは。
16:00ごろに待ち時間が100分近くガクンと落ちているので、おそらく途中でシステム調整が発生して待ち時間が倍に伸びていたのだとは思われます。
しかし、400分を超えていないので開園時点ですでにシステム調整中だったのではと考えられます。
なので、もしシステム調整がなくても午前中は250分超え、もしかすると300分超えていた可能性はあったわけです。
そして何より、この日の待ち時間の最短は180分です。
180分ですよ。
ここ最近の最長待ち時間は180分超えるかどうか、超えてもすぐに180分以下になっていたのに。昼どきには120分を下回ることも珍しくなくなってきたというのに。
それが10月20日の最短待ち時間だったことを考えるととんでもない混雑だったんだろうなあと思います。さすがに3時間はきつい。
しかも閉園から2時間半も前にスタンバイの案内終了。ファストパスのみの案内となりました。ファストパスとはいったい。
聞いた話だと、ファストパス案内中のソアリンは特別展のプレショーを完全カットした「超回転効率重視」バージョンだったようです。
おい。
こら。
いや回転率は大事。それはわかる。
でもさ、
プレショーのないソアリン:ファンタスティック・フライトなんて面白さ半減どころの騒ぎじゃねーーーーーーーーーーーんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!
ソアリンのプレショーについて熱く語ったばかりだというのに。
まさかその数日後にプレショー全カットバージョンが運営されるとは。
まあでも仕方ないとは思ってますよ。ファストパス取れたのにソアリン体験できないゲストが現れたらそれこそ暴動ものですから。
とはいえソアリンのプレショーが大好きな僕は「仕方ないけどなあ......なんかなあ......」という微妙な気持ちになるわけです。
初ソアリンがプレショーなしバージョンだった人が少なからずいるのだと思うと胸が痛くなるのです。
ソアリンはライド部分も素晴らしいのだけどあのプレショーがあるからこそより輝くのに。
プレショーなしのソアリンなんて生地のないタコ焼きですよ。それもうただの焼きタコ。そりゃタコ焼いただけでもおいしいだろうけど生地があるからこそおいしいタコ焼きになるんですよ。ちなみに僕はソース派です。マヨネーズはときどきつける。
上の写真はこちらのサイトから引用しました。
そんなわけでこの生地ではおいしいタコ焼きの焼き方についてこの記事ではソアリンのプレショーについて前の記事には書かなかったことまで詳細に書いていこうと思います。
※プレショーには複数パターンがあるそうですが1つしか確認できていないのでそのバージョンについてのみ書きます。
プレショーの内容
プレショーが行われる場所はファンタスティック・フライト・ミュージアムで開催されているカメリア・ファルコの生誕100周年を祝う特別展です。
我々ゲストは、特別展に入って展示を眺めていると、突然アレッタの偶像から影が飛び出し、カメリア・ファルコの絵画がまるでスピリットが宿ったかのように動き出します。
会話内容は前の記事に書いてあるのでそれを読んでください。露骨なアクセス数稼ぎ
会話中、壁には内容に沿ったシルエットが流れます。
その後、カメリアとアレッタはまるで何事もなかったかのように元に戻ります。
シルエット
プレショー中に流れるシルエットはプロジェクション・マッピング技術によって投影されています。たぶん。知らんけど。きっとそう。
「紙飛行機が~」のくだりでは座っているカメリアが紙飛行機を飛ばす様子が映されます。
「科学者や芸術家たちと~」のくだりでは開発したと思われる技術の数々が映し出され、ドリームフライヤーのシルエットも紹介とともに映し出されます。
ここのシルエットですが、完全に黒塗りとなっています。
ワンス・アポン・ア・タイムやCelebrate!! Tokyo Disneylandのようにカラーで表現することもできたはずなのにあえて黒でやっています。
その理由は、前の記事でも語っているように、ソアリンが「夢」を重視しているからだと思われます。
カラーにするとはっきりしすぎてしまい、現実感が増してしまいますが、黒塗りにすることで現実感を薄れさせることができます。
また、カメリアが紙飛行機を飛ばすシーンでは、シルエットにすることで、幼少期のモノローグだという印象を強く持たせ、それを見た我々にも幼少期の頃を想起させる効果があります。
このように、シルエットは幻想的な世界観を生み出しています。
プレショーの最後
このプレショーの最後にはカメリアとアレッタは元に戻ります。
彼女らだけでなく、周りの絵も元に戻っていて、まるで最初から何も起こっていなかったかのようです。
ここで、同じようにプレショーが行われるアトラクション、タワー・オブ・テラーと比較してみましょう。
タワー・オブ・テラーのプレショー
タワー・オブ・テラーのプレショーではハイタワー三世が「シリキ・ウトゥンドゥの呪いは本物だ」と語り、自分の身に何が起こったかをステンドグラスで見せてきます。
一通り語り終わるとシリキは消え、ステンドグラスは惨状を写したままプレショーが終わります。
タワー・オブ・テラーのプレショーがこのような形で終わる理由は「呪いは本物」であり、ハイタワー三世はそれを「警告」したからです。
我々はハイタワー三世の書斎で不思議な出来事を目撃し、そのまま次の部屋へと移されます。消えたシリキ・ウトゥンドゥと変わり果てたステンドグラスを横目に。
このとき、我々は、あのとき書斎で起こっていた不可解なことすべてが現実のものであったと認識します。
何が起こったかはわからない。
しかしあの出来事は間違いなくあの場所で起こった。
そう認識することで、不安と恐怖を感じながら次の部屋へと進むわけです。
このように、プレショーの痕跡が残ることで、現実味が増します。
ソアリンのプレショー
一方、ソアリンのプレショーはすべてが元に戻ります。
タワー・オブ・テラーの逆で、プレショー後にその痕跡が一切残らないことで、プレショーの現実味を失わせることができます。
確かにあの出来事はあの場で起こったはずだ。
しかし、その証拠はどこにもない。
あれは夢だったのか?それとも?現実だったのか?
という感覚になります。
全く同じようには思わなかったとしても、「不思議な出来事だった」とは思うでしょう。
どこか現実感がなくふんわりとした印象を受けます。
まとめ
このように、プレショー全体で、ソアリンは我々から「現実」という感覚を失わせ、「夢」の世界へと誘います。
これから我々が体感する素晴らしい空の旅、ファンタスティック・フライトこそ夢のような旅なのですから。
だからこそソアリンにはプレショーが必要なんですよ。
Qラインも素晴らしいんですよ。でもあれはあくまで前振りのようなもので、プレショーがあってこそのソアリンだと思ってます。
なのでプレショー全カットバージョンのソアリンはいただけない。
ただでさえディズニーシー全体で混雑しててどこ行くにも並ぶような状態の中、さらに200分以上のクソ長い時間並んで疲弊して、そんな夢もイマジネーションもない状態で乗るソアリンなんて楽しくないとは言わないけど楽しさは大幅にダウンしますよ。
でも朝早く並べば早い時間のファストパスでスイスイ乗れるし、空いてる時期を選べば昼ならスタンバイ120分程度とちょっと長めだけどそこそこちょうどいいくらいの待ち時間で乗れるので、
結局のところ、
そんな混んでる時期に行くやつが悪い。
という元も子もない結論で締めくくります。
そうは言っても空いてる時期にディズニーランド行けるほど暇じゃないって人がいるのはわかってるのでそういう方はもうちょい空くまで待ってて。
最後に
余談ですがこの記事を書いてる2019年10月21日もW入園制限がかかりました。4年ぶりの2日連続W入園制限だそうです。
ソアリンは一瞬だけ300分を超え、記事執筆時では210分前後で安定しています。
ソアリンの待ち時間が安定するのはいつになるのやら。